【ヤウンデ(カメルーン)高尾具成】スーダン西部ダルフール紛争を巡る戦争犯罪容疑などで、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を発行されたバシ ル・スーダン大統領は8日、ダルフール地方ファシェルで演説し、スーダンからの国際支援団体の強制退去処分について「国内ルールに従わないものはすべて追 放する」と強調した。支援団体の退去はスーダンの国内避難民らのライフラインを断つに等しく、国連は「生命の危機に脅かされる」と同大統領に撤回を求めて いる。
AFP通信によると、バシル大統領はこの日の演説の中で、国外退去処分は支援団体だけでなく、外交官や平和維持活動部隊にも及ぶことを示唆した。 スーダン政府はICCによる逮捕状発行後、「支援団体がICCと協力関係にある」などとの理由で支援団体の国外退去を決定したと主張している。
国連によると、スーダンでは約470万人が非政府組織(NGO)の援助を受け、うち約270万人が国内避難民として難民キャンプでの生活を余儀なくされている。人権担当官は、「人道支援活動とICCの手続きは関係がない」と非難している。
一方、スーザン・ライス米国連大使は6日、オバマ米大統領が国連の潘基文(バンギムン)事務総長をホワイトハウスへ招待したことを明らかにした。両者はスーダン情勢などについて協議する見通しだ。
支援団体の退去問題は国連安保理でも協議されているが、退去処分の撤回を求めるフランスなどと、ICCの逮捕状発行を問題視する中国の間で意見がまとまっていない。
ICC非加盟国のスーダン政府は「ICCの司法権は及ばない」との姿勢を繰り返しており、バシル大統領の身柄拘束の協力を得られる可能性は低い。
毎日新聞 2009年3月10日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/world/news/20090310ddm007030164000c.html